去年の12月から3人娘のサックスグループを応援しています。これまで渋谷あたりのライブハウスで活動していたのですが、このたび横浜に初進出(娘たちは上陸と申しておりますが)しました。
それもいきなりMotionBlueYokohamaという大舞台。チケットがはけるのか心配していましたが・・・とこれは本題ではありません。
この娘たちのライブに行く前に知り合いから紹介されていた「ザ・ラーメン屋」さんで腹ごしらえさせてもらいました。
ほんとの横浜ラーメンってご存知ですか?
Before家系の横浜ラーメンとは
こちらのお店は昔ながらの横浜ラーメンというか中華街ラーメンを出してくれるお店です。
今では横浜といえば家系ですが、吉村家さん以前は中華街を発祥とする醤油ラーメンが横浜のラーメンだったのです。
吉村家さんがお店を始めたのが1974年。実際は1999年に横浜駅近くに移転した頃からいわゆる家系ブームが始まったのだと思っていますが、昭和の年号の時代、それも昭和40年台以前の横浜のラーメンは以下のような特徴がありました。
- 脂がほとんど浮かない豚骨・鶏ガラ・野菜でとった出汁に醤油を合わせたスープ
- 麺は細縮れ麺
- チャーシューは周りが赤く甘みのある叉焼(焼豚ではない)
- チャーシュー以外の具はメンマ・ネギ・ほうれん草・ナルト
麺は最近はほぼ使われなくなった塩や着色料を入れない細縮れ麺。
中華街で出されていた麺がルーツで、2013年に店をたたんでしまった永楽製麺所さんをはじめとする中華街とその周辺の製麺所で作って近隣のラーメン屋さんにも供給していたようです。
またチャーシューは当時自家製のものを作るのではなく、仕入れてくるものだったようです。
そして澄んだスープ。これはやはり中華街の上湯スープがもとになっているからだと思います。
最後にシンプルな具の構成。中華街はともかく、横浜の下町ではかなり安い価格でラーメンが提供されていました。コストを抑える工夫は随所にあったのだと思います。
横浜というと家系以外にサンマーメンが有名ですが、サンマーメンはこのラーメンにとろみのついた野菜炒めがのるものが昔からのサンマーメンです。
なぜここまで詳しい記述になるかというと、僕の母方の実家は終戦直後から横浜市南区で製麺所をやっていました。そこで蕎麦やうどんといっしょにラーメンの麺を作るのを物心がつく前から見ていました。また近所のラーメン屋さんへの配達はリヤカーを引いてやらされてました(昭和40年台では当たり前の光景です)。
おかげであの頃の横浜ラーメンは目と舌に叩きこまれています。僕のソウルフードです。
さて前置きがとてつもなく長くなってしまいましたが、ザ・ラーメン屋さんはこういうラーメンを出しています。
昭和の横浜ラーメンの飽くなき追求
昭和の終わりころからラーメンを作り続けられているご主人は昔の横浜のラーメンを提供することを是とされているとおっしゃっていました。
お店で少しお話しをさせていただいた際に、偶然にも僕と同じ小学校の出身であることがわかり、当時のラーメンはあーだったこーだったとお話しさせてもらいました。
住んでいた場所も近かったようなので、同じ店のラーメン食べていたかもしれません。
さて肝心のラーメンですが、前述の昔の横浜ラーメンです。最近のコシが強い細縮れ麺ではない細縮れ麺は今ではほとんど作っている製麺所が無いそうで、いろいろと工夫されて用意されておられるようです。
チャーシューは赤い叉焼です。ご主人も「修行時代にチャーシューは赤いもんだ、煮豚はチャーシューじゃねーんだよって怒られた」って言われていました。そーですよね。横浜のラーメンのチャーシューは叉焼ですよね。
その他の具はメンマ・ネギ・ナルト・水菜です。ほうれん草ではなく水菜な理由は聞き忘れました。
スープは脂をほとんど感じないすっきりとした醤油スープです。若いひとたちには物足りないかもしれませんが、これが僕ら(年寄り)には良いんです。このスープは胡椒を入れるのは必須だと思っています。デフォで胡椒が入ってた店も昔はあったくらいです。胡椒合いますよ。
最近の出汁がバリバリに出ていて、醤油もチャーシューを煮るのに使ってたりと味がぎっちり入っているラーメンとは方向性がまったく違います。ただ食べ続けることができるラーメンであることは間違いありません。
ワンタンは雲呑であって水餃子ではない
お伺いした際にはワンタンメンを食べさせてもらいました。ワンタン追加は特別な時しかやらせてもらえなかった子供時代へのアンチテーゼです。
ワンタンは雲呑と書きますよね。雲を呑むというのはその食感からくるのだと思います。
雲を呑むような食感というのは薄くペラペラとしたワンタンの皮の食感です。ワンタンの皮は茹でられると餃子の皮では味わえないツルンとした食感が得られます。最近の団子のようなワンタンはそれを殺していると思います。水餃子のようになったワンタンでは雲の食感は得られません。
ザ・ラーメン屋さんのワンタンはワンタンの皮のみの部分がかなり大きくなっています。かと言って具が小 さいわけではありません。おそらワンタンの皮が普通より大きいと思われます。
ご主人!あなたはわかってる人だ!
シンプルながら昔ながらのチャーハンがうれしい!
実はこちらの店のチャーハンは半端ありません。すっごく旨いチャーハンです。チャーハンだけでも食べる価値があります。しつこくなく醤油味がしっかりしてぱらりとしたチャーハンはなかなか食べられない一品です。
これも昔はあまり油をギットギトにせずに、シンプルな具材だけで作っていたのを思い出させてくれます。
具はネギ・卵・叉焼のみ。それも具の量は多くありません。それを少ない油で米粒をパラパラに炒めるのはご主人の技量の現れだと思います。醤油味のシンプルさがまたいい。
チャーハンだけでも食べに行く価値があると思います。
お店は通りからちょっと奥まったところにあります。看板とかを通りに出しておらず、路地を覗くとノボリが立っていて店があることがわかるという感じです。お店の入口は厚い透明ビニールの扉になっていて、お店に入るとご主人の愛犬が迎えてくれます。ちょっと大きめのパグちゃんですが、お客さんにはまったく吠えないそうです。うちの犬に爪の垢を煎じて飲ませたい・・・
おまけ
ちなみに応援している3人娘はSax Tripletsというグループです。成長株です。興味がありましたら、ぜひこちらもご覧ください。
コメント
[…] 次は大さん橋の近くにあるザ・ラーメン屋という店に行ってみたい(`・ω・´) […]